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(3)燃焼器の設計
a.基本計画
常圧燃焼仕様スターリングエンジンの性能試験結果の実績から機関の出力及び正味効率を下記の値に設定する。
機関出力:20kw
・正味熱効率:20%
次に本研究では、燃焼室材料保護のために純O2の代わりに再循環させた燃焼排気ガスCGRでO2濃度を下げた燃焼用O2を用いる。このCGRの量をいくらに設定すべきかは燃焼安定性の観点より考えなければならない。油焚きボイラでは燃焼用空気に燃焼ガスを再循環させて低NOx・低ばいじん運転を図る方法がある。
この場合、再循環させる燃焼ガス(GM)量の燃焼用空気量に対する比(GM比)は、吹き消え、燃焼振動より大体0.2程度以下に設定される。これはO2濃度で約17.3vo1%(湿)相当になる。しかし本研究ではO2・CGR予熱器によりバーナロでのO2・CGRの温度を油焚きボイラでの値約600kより高く設定できるので、油焚きボイラより低い約16.2vo1%(湿)をO2・CGR中の最低O2濃度の目標値とする。これを燃焼生成ガス量に対する再循環燃焼ガスCGR量の重量比(CGR比)に換算して、燃焼ガス再循環比CGR比は下記の値に設定する。
CGR比:40以下
供試燃料の高位発熱量を46.465kJ/kgとしてこれらの設計条件を元に燃焼室に投入する燃料、O2・CGRの各流量等を策定すると表3.2-1が得られる。なお比較として表中には油焚きボイラの場合の数値も併記する。
b.高圧化対応燃焼室の設計仕様
高圧化仕様で縦型の場合の燃焼室は図3.2-1に示すものでよいが、高圧では熱浮力が強く作用するため、これを考慮した対策が必須条件である。
?高圧燃焼器における浮力の効果
高圧部と低温部の温度差△T
△T=Tk−Tl (1)
によって、生じる単位面積当たりの熱浮力fbは、
fb={ρ(Tl)一ρ(T)}・g・△H (2)
ここに、
Tl:低温部温度で、ヒータ部ガス温度
Th:高温部温度で、2次燃焼室入口ガス温度
ρ:ガス密度で、圧力、、温度の関数
g:重力の加速度
△H:鉛直方向変位量で、ヒータのピッチ円半径
従って、燃焼器圧力が7MPaの高圧になると、常圧燃焼器と同じガス温度分布でも密度は約70倍になるため、浮力は約70倍に増大することが分かる。一方、ヒータ部前後での圧力差△Pは、

055-1.gif

 

 

 

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